沖ノ島での森の再生に向けての取り組み 2020年4月23日に行いました

うみがめです。

沖ノ島の森は、2019年の台風15号(令和元年房総半島台風)の影響により大きなダメージをうけました。再生には長い時間が必要なことは、島のもっとも古木である宇賀明神のご神木のタブノキ(推定樹齢300年以上)も倒れてしまったことからも分かります。

その後少しづつではありますが、再生に向けての取り組みを進めてきました。

2019年台風被害と森の再生
「2019年台風被害と森の再生」の記事一覧です。

台風も強力だったのですが、島の森が少しづつ弱ってきたことにも原因があることが、NPO法人地球守・高田宏臣氏 (代表理事・高田造園設計事務所・千葉市)の調査によって明らかになってきました。

今、新型コロナウィルスの拡大に伴い、緊急事態が叫ばれている中で、たてやま・海辺の鑑定団では、自然体験活動は休止をしているところです。しかし大変重要なことと認識し、県内移動の活動、3密を避けることで、沖ノ島の森の再生に向けての取り組みを限られたメンバーにて、NPO法人地球守の協力をいただき実施しました。

小さくなってしまった沖ノ島の森

 

50年後の森を見据えて

たてやま・海辺の鑑定団では、沖ノ島の森ので再生活動を行うために、約3,000㎡を実証区として使用許可を館山市からいただいています。

実証区は、宇賀明神を含む南側から中央園路沿いの約3,000㎡(標高の高い位置)です。

 

大切なことは「水」と「空気」流れを再生すること

土の中の「水」「空気」の流れを再生し、土の中の菌糸を活発化させて、自然の再生の力を引き出してゆく作業を実証区の一部でおこないました。

地球守の自然読本①には、健全な大地は、雨が深くしみ込むとあります。

地球守の自然読本①

健全な大地には、大小の団粒が形づくられたスポンジのような土の中を、水や空気が深いところまで行き来し、安定ている状態で、そこでは高木から低木まで様々な種類の木が健康に生き、若い世代の木も育ってくる。

今回ご指導頂いた NPO法人地球守・高田宏臣氏 (代表理事・高田造園設計事務所)

沖ノ島の森は、残念ながら「コンクリート園路作ってしまったこと」によって少しづつ悪影響となり、樹勢が落ちてきていました。そこに今回の台風が来て状況が顕在化しました。

沖ノ島は公園ですので園路は必要です。作業は基本は園路を生かした形で行います。

これ以上悪くならないように施し、自然の力で改善へ

台風で倒れてしまった木々は、次世代の木を育てるためのエネルギーとしてすべて使います。

倒れてしまった木の整理は、次の世代へつなぐための大切な作業です。

倒木を整理

 

海岸に流れ着いた竹を炭にして活用

 

土中環境の改善のために、竹の消し炭を使用しました。(一部海岸に打ちあがった竹の炭を使用)

竹炭(炭)は、構造が多孔質である為、糸状菌やバクテリアなどの有用微生物が棲みついて繁殖し、土中の有機物の分解を促して土の団粒化を進め、保水性や浸透性を向上させることができます。

 

宇賀明神のご神木は生きてます

 

ご神木は、生きてます。

倒れたご神木の幹から芽吹きが!ご神木は生きています。

 

沖ノ島の森のシンボルであった「宇賀明神」のご神木のタブノキ、生きてます。倒れた幹から小さな芽吹きが始まってます。

このような木が倒れた場所(根返り)では、倒木によってできるマウンドで新しく木が更新します。ここは木が育つべき場所となるのだそうです。

ここでも空気と水が流れ菌糸が活発になるような施しをおこないまいした。

ご神木の根返りしたところに施し

宇賀明神から中央にむけて

 

ここでは、倒木をチェーンソーなどでカットして、整理。

地形を読んで、谷を掘って山には土を盛る。そこには水と空気の流れを良くして菌糸が祖立つように竹炭と大中小の倒木の枝を入れてい行きました。

園路の脇も溝を掘り竹炭、倒木の枝、同じ目的です。

ところどころに竪穴を開けます(60cm位)そこにも有機物を。。。

 

竹炭を活用

 

園路の脇に溝を掘り、有機物を入れる

 

園路の脇に溝を掘り、有機物を入れる

 

地形を読んで改善作業を行う

 

最後に草と落ち葉で覆いました

 

 

一日かけて作業をしました。

自然の力を待ちます。

施し前の様子

 

一部改善作業をおこないました

これから…

 

時間はまだまだかかります。自然の力を引き出すためにできることはまだまだあります。

沖ノ島の場合は、森の再生が海の中にも直接影響してます。

森から海へ

森が元気を取り戻すことが、海の元気を取り戻すことにつながっています。海で起こっている磯焼けも、このことが一因かもしれません。

アマモ場の再生活動は、もちろん継続いたします。

こういう活動を通じての「気づきと学び」は、多くの皆様と共有したいと考えています。

 

そして皆様と

 

本当は皆さまとご一緒に作業ができると良かったのですが。。。

 

新型コロナウィルスの拡大による緊急事態宣言が出されている状況では、外活動とはいえ今は、皆さまへのお声がけはできません。

そして、沖ノ島は4/24より、前記の状況を踏まえ、「閉鎖」となっております。

館山市のページへ

 

どうぞ、沖ノ島も海辺も、海の生き物、仲間たちも逃げません。

 

また、楽しく海辺の活動ができる日は、必ずやってきます。

その時はお知らせさせていただきます。

 

どうぞ、その時まで、しばらくお待ちください。

 

記 うみがめ

 

木々が倒れた沖ノ島からの富士山

 

 

 

 

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