うみがめです。
新型コロナウィルスの拡大、そして緊急事態宣言。本当に先が見えない昨今です。たてやま・海辺の鑑定団も活動を現在休止しています。事務局は最低限の対応と、いつでも皆さまと活動ができるように準備をすすめています。
昨年の台風の影響も、沖ノ島もそうですが、地域でもまだまだ残っていて、この先が案じられる状況がこちらも続いています。
沖ノ島アマモ場再生に関して
このような先が見えない社会情勢ではありますが、2020年の3回目のアマモ移植に向けての準備は進めています。
育成中のアマモは、昨年の6月に鋸南町で採集した花枝を熟成しました。
自生アマモは、原因はわかりませんが、減少傾向にあると思われ、鋸南町は内房エリアでは希少な自生地と言えると思います。
そして、台風15号が襲う前の日に、熟成種子の選別を行いました。(お茶の水女子大学 湾岸生物教育研究センター)
選別した種は、追熟してました。
今回は、花枝の時点で、明らかに実入りが少ない感覚で、熟成種子は以前と比較すると少なかったです。
アマモの育成
そして、11月に、苗床つくりを行いました。65個のプランターで苗を育てました。
アマモは今年もすくすく育ちました。1月には芽がでて、大きくなっていきました。
4月に水槽のメンテを行った時の様子です。
プランターにより差はありますが、成長はしています。
この子たちは、2020年の5月に予定している移植会で沖ノ島の海に戻したと思っています。
しかし、昨今の新型コロナウィルスの拡大の影響は否めません。
準備は進めています。
時が来て、皆さまにお声がけできる状況となりましたら、お知らせいたします。どうかご了承くださいませ。
2019年5月に移植したアマモの経過
昨年の2019年5月~6月に、沖ノ島の北側海域の浅瀬と中間に計約150㎡移植しました。
浅瀬に保護ゾーンを設置しました。
アマモ保護ゾーンに、200株のアマモを移植しました。浅瀬の海域にも移植しました。
移植アマモの観察
そして、7月には、お茶の水女子大学 湾岸生物教育研究センターとの協力でアマモの食害実態調査を定点カメラを、移植したアマモの前において一日観察してみました。
そこにはこの子が映りました。
アマモを明らかに食いちぎっていました。
しかし、この子が単に悪者というわけではありません。海域全体の海藻が減っているという事実があるからです。
その後保護されていないところの浅瀬ぼアマモは、8月ころには見えなくなってしまいました。(食害と夏季に台風のウネリが何日も続いたためかもしれません)
保護ソーンは、9月の台風でも何とか持ちこたえました。
※この時沖ノ島は、大変な影響を受け倒木が多数発生してしまいました。
中間に植えたアマモも台風を乗り切りました。食害には会いましたが。。。
その後11月までは、かろうじて残っていました。
そして、保護ゾーンも設置の期限迎えたことと、さすがに痛みが激しく(修理をしながら保護をおこなっていましたが)12月の初旬に取り外しました。
そのときまだ保護ゾーンのアマモは少し残っていました。かろうじて
(網が破れたりしたのでそこから食害が発生したと思われます)
しかし、通常冬季に下がるはずの水温が下がりません。(ここ二年くらい高水温です)
※2019年11月~3月までの沖ノ島中間の水温は、当方の測定で平均19.3℃でした。
理由は、はっきりわかりませんが黒潮が蛇行している影響はあるのでしょうか。
そして、まことに残念ですが、アマモの姿は見えなくなってしまいました。
2019年から2020の冬季の沖ノ島周辺は、さらに磯焼け(海藻や海草が少なくなる現象)が進んでいるようでした。
これから
2020年度、今は、最初に書いた通り、新型コロナウィルスの拡大の影響により、活動を休止している状況ですが、楽しい自然体験活動、自然を守るためのアマモの活動、そして、森の活動、さらに様々な仕組みづくり、少しづつでも進め実施していく予定です。
未来に沖ノ島や自然環境を伝えていくために。
身近な自然から社会や地球全体を見据えながら。
どうぞ皆さまそれまでは健やかにお過ごしくださいませ。
記 うみがめ