うみがめです。
昨年の秋の台風では、沖ノ島はもとより地域も大きな影響を受けました。
沖ノ島は、特に台風15号の影響が大きく、島の南東側の森の木の多くが倒れてしまいました。これらをもと通りに戻すことは、難しいと思います。ただ、これから時間をかけて、元の姿に近づけ島の森の元気を取り戻すようなことは出来ると信じています。
残念ながら、僕たちには、森についてのノウハウは、正直ありません。
NPO地球守の現状調査
そのための専門的な知識をもつ方としてNPO地球守の代表理事である高田宏臣さんに、島の現状調査を正式にお願いいたしました。
高田さんは、昨年11月にも一度来訪いただいておりますが、今回は、管理者である館山市も同行いたしました。
NPO地球守のページ https://chikyumori.org/
原因としては島が乾燥してきている
今回の現状調査では、台風が強大ではありましたが倒木が多く発生した原因として、島全般が乾燥することで、土の中の環境が変わっってきてしまったことが指摘されました。
なぜ乾燥が進んでしまったかは空気と水が土の中を通らないことで、雨がしみこまず表層を流れてしまってさらに目詰まりを起こしているという。
これは、人工物などの影響で、かなりの時間の経過の中でそのようなことになってしまったようです。
2013年に一度森を調べた
実は、2013年の4月に森の木を樹木医の斎藤先生に見ていただいたことがあります。
●当時のブログ「森の変化」
当時から、枝折れや、立ち枯れがあって気になり、関係者の勉強も兼ねて森をめぐったのでした。
すでにその時には、土の中の環境が悪くなってきたのかもしれません。宇賀明神ご神木の樹齢300年以上といわれているタブノキも樹勢が落ちているという指摘を受けていましたが、残念ながら何も対応していませんでした。
今回の台風は、確かに強大でしたが、実際は過去の台風も強大でした。
昭和の3大台風といわれた、室戸台風、枕崎台風、伊勢湾台風がありますが、室戸台風は、中心気圧が911.6hPaを観測しています。(台風15号は最低気圧 955 hPaです)
コースは、今回の台風とは異なりますが、そういう過去の大きな台風でもご神木は耐えてきましたが、今回の台風では耐えることができませんでした。台風も強大でしたが、それ以外の要因もあったかもしれません。
高いところから改善していく必要がある
高田さんの現状調査では、島では比較的標高が高い宇賀明神周辺や、中央の園路付近の土中環境が良くないことも指摘されました。
数々の森林環境の再生を行っている、高田さんは、土の中の環境を良くしていくことは、大きな作業ではなくても進めていけるという。
園路のわきに、溝を掘り、今ある倒木の枝や葉をしっかり絡ませて溝に埋めていく。また要所に竪穴をあけ、そこにも枝葉などを入れる。空気や水が土中にしみこみ、島の木々の手助けをするような、自然の力を引き出す良ようなやり方です。同時に倒れてしまった木々も次世代の木々の為の栄養(エネルギー)として、役立てていくようなやり方です。
そういう小さい改善が少しずつでも環境を変えていく力があるのだそうです。
そうすることで土中の菌糸が活発に働き、木々の根が動き来出していって、自然の力が引き出されていく。
皆でできることを
今後、このような考え方をベースにして、館山市と連携しながら、僕たちとしてできることをしていければと思います。
ただ、小さな作業とはいえ、作業量は少なくはありません。物理的に大きな倒木は、専門的な作業を要することもあるでしょう。
しかし、僕たちや皆さまと、少しづつでも、自然が再生できることを、手助出来ればと。そして、沖ノ島のことをご心配頂いてる皆さまともご一緒に、再生活動ができればと思っています。
今回の模様は、新聞社3社に掲載報告されています。
房日新聞
東京新聞(千葉県版)
朝日新聞(千葉県版)
今後のことは、またご報告させていただきます。
記 うみがめ
今までの再生に向けた取組み